アクアスの今後について(令和8年9月)

 アクアス(多世代交流棟)は、長年にわたり町民の皆さまに親しまれてきた一方、施設の老朽化や将来の維持管理費など、大きな課題を抱えています。
 平成29年に行われた調査では、施設を今後30年間維持した場合、約18億円の費用が必要になるとの試算が示されました。しかし、その後、施設の将来について具体的な方針を決定するまでには至っていません。
 町では現在、あらためて施設の状態や必要となる費用などを調査し、将来のあり方について検討を進めています。これは、単に一つの施設を残すかどうかという問題ではなく、限られた財源の中で、町民の皆さまに必要な公共サービスを将来にわたってどのように維持していくのかという、大木町全体に関わる課題です。
 検討に当たっては、町の考え方や状況を丁寧にお伝えし、町民の皆さまとの対話を重ねていくことが大切だと考えています。
 このページでは、区長会において私からご説明した「アクアスの今後に関する町長メッセージ」を掲載します。現時点での町の認識と、今後の検討に向けた考え方をお伝えするものです。ぜひご一読いただき、皆さまとともにアクアスの将来を考えていきたいと思います。
 

区長会(令和8年9月11日開催)におけるアクアスに関する発言内容(原文のまま掲載)

 本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
 今日は、多世代交流棟「アクアス」について、これまでの経過と、町の執行部としてどのような考えで取り組み、その時々にどのような判断をしてきたのかを、私自身の言葉でお話ししたいと思います。
 お手元には、直近の説明会において配布した資料および広報おおき8月号をお配りしています 。
 今日は、その 資料をそのまま読み上げるのではなく、なぜ町がこの問題に向き合うことになったのか、どのような経過で検討を進めてきたのか、そして、私自身がどのような点を反省しているのかを中心にお話しします。
 アクアスは、長年にわたり、町民の皆さんの健康づくりや交流の場として利用され、親しまれてきた施設です。
 一方で、建設から相当の年数が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいます。
 今後も施設を維持していくためには、修繕や設備の更新に 多額の費用が必要となります。
 今回の検討は、私が町長に就任した当初から、アクアスについて何らかの結論を持って始めたものではありません。
 私が町長に就任して約一か月後の3 月議会において、当初予算が審議されました。
 その中で、アクアスに対して、今後も指定管理料を出し続けることについて議会から意見が示され、附帯決議がなされました。
 その内容は、年度によって収支の変動幅が大きい経営状況を整理するとともに、老朽化した施設の今後のあり方について外部委員会で議論し、その結果を議会へ報告することを求めるものでした。
 アクアスは第三セクター(町が多く出資金を拠出)が運営していますので、私も毎年度の経営状況については承知していました。
 しかし、就任当時、建物や設備の老朽化の程度、また、施設が抱えている構造的な問題について、その詳細まで把握していたわけではありません。
 そこで、議会での附帯決議を受け、過去の資料を改めて確認しました。
 その中に、平成29 年に行われた調査の資料がありました。
 その調査では、今後30 年間にわたって施設を維持する場合、約 18 億円が必要になるという試算が示されていました。
 私はこの資料を確認し、今後も施設を維持するためには、多額の費用をかけなければならない状況にあることを知りました。
 さらに、単に老朽化した部分を修繕し、多額の費用を投入すれば、それだけで将来にわたって安定的に運営でき、安全性も十分に確保できる施設になるという、単純な問題ではないことも理解しました。
 現在の温泉やプールを中心とした利用形態を、そのまま将来にわたって維持することには、施設面でも財政面でも難しい課題があります。
 一方で、例えば温泉機能を廃止または見直し、多目的な用途で建物の一部を活用することができな いかという考え方もあります。
 しかし、その場合にも、どの部分が安全に使用できるのか、改修にどれだけの費用が必要になるのか、その後の維持管理をどうするのかを、専門的に確認しなければなりません。
 この時点で、私一人や執行部だけで方向性を決めるのではなく、まず施設の実態を明らかにし、専門的な視点と利用者の視点の双方から検討する必要があると判断しました。
 そのため、議会の附帯決議を踏まえ、外部委員会を設置し、建築や公共施設に関する専門的な知見を持つ方と、日頃からアクアスを利用している方の双方に参加していただきました 。
 専門的な視点と利用者の視点の両方を取り入れるために、必要な構成だったと考えています。
 一方で、議論の中では、それぞれの立場によって重視するものに違いがありました。
 建築関係の識者は、施設の老朽化や安全性、改修費用、将来の維持管理などを重視します。

 利用者の皆さんは、健康づくりや交流の場としての役割、日頃の使いやすさ、そして長年親しんできた施設への思いを大切にされます。
 そのような委員会構成でありましたので、率直に申し上げれば、委員会の中には、立場の違いによる少しの隔たりがあったのではないかと感じています。
 これは、委員の皆さんに問題があったということではありません。
 それぞれの立場から真剣に議論していただいたからこそ、考え方の違いや課題が明らかになりました。
 そこで示された意見の違いを受け止め、今後の判断につなげていくことは、執行部と私の責任です。

 したがって、最初から一つの結論を決め、その結論に向かって進めてきたわけではありません。
 議会からの要請を出発点として、過去の調査資料を確認し、施設が抱える問題を把握しながら、その時々に必要な調査や検討を一つひとつ進めてきたというのが、これまでの経過です。
 その後も、調査で明らかになった内容や施設の利用状況、町の財政、他の公共施設との関係、そして議会からの意見や要請などを踏まえ、その都度、検討の進め方を見直してきました。
 議会との関係についても、少し触れておきたいと思います。
 議会には、執行部の提案や判断を厳しくチェックし、町民の皆さんのさまざまな声を行政に届ける大切な役割があります。
 これまでの議会では、担当課への厳しい質疑や、町民の不安を代弁する意見も多く出されました。それらは、執行部として真摯に受け止めなければなりません。
 一方で、アクアスの問題は、単に賛成か反対か、残すかなくすかだけでは整理できるものではありません。
 施設を維持する場合にも、改修する場合にも、規模や機能を見直す場合にも、それぞれに費用と課題があります。
 また、「今は決めない」という選択にも、施設の老朽化が進み、将来の負担がさらに増える可能性があるという責任が伴います。
 今後は、課題の指摘にとどまらず、どのような選択肢があり、その費用と将来への責任をどう考えるのかについて、執行部と議会がともに建設的な議論を深めていく時期であります。
 また、議会で示された事実や数字、異なる立場から出された意見も含め、議論の全体像が、公正で分かりやすい形で町民の皆さんに伝わることも重要であると考えています。
 同時に、私自身、議会に対して説明を尽くすことが、町民の皆さんへの説明にもつながると考え過ぎていた点は、反省しなければなりません。
 これまで、町がアクアスに関する情報を公表してこなかったわけではありません。
 議会とのやり取りを含め、アクアスに関する資料はホームページに掲載し、原則としてすべてオープンにしてきました。
 また、インターネットを利用されない方にも見ていただけるよう、紙の資料をアクアスや各コミュニティセンターに置いています。
 担当課も、情報公開という面では、必要な対応を積み重ねてきました。

 しかし、今回、私が最も反省しているのは、「情報を公開していること」と「町民の皆さんに情報が届き、理解していただくこと」は、同じではないということです。
 ホームページに掲載しても、自分から探しに行かなければ、その情報にはたどり着きません。
 アクアスやコミュニティセンターに資料を置いても、そこを訪れない方には届きません。
 また、資料をご覧になっても、専門的な内容や多くの数字が含まれているため、何が問題となっているのか、町がどのような判断を求められているのかを、資料だけで理解することは難しかったと思います。
 これまで私は、まず議会に対して説明を尽くし、町民の皆さんには、その経過や結果をお伝えすることを基本としていました。
 そして、さらに詳しい説明を希望される方には、説明会に参加していただけばよいという考えを持っていました。
 担当課も、私のこの考え方のもとで、日々の実務や議会への説明、資料の作成などに取り組んできました。
 しかし、アクアスは、多くの町民の皆さんが長年利用し、それぞれに思い出や思いを持っておられる施設です。
 そのような施設の将来については、町民の皆さんが知りたいと思われる前に、行政の側から地域に出向き、何が問題となっているのか、なぜ今検討しなければならないのか、どのような選択肢があるのかを、もう少し丁寧にお伝えする必要がありました。
 そのことが、町民の皆さんの間に、「知らないところで話が進んでいるのではないか」「すでに結論が決まっているのではないか」「なぜ今になって、この話が出てきたのか」という不安や疑問を生じさせたのであれば、私の説明のあり方に至らない点 があったものとして、率直に反省しています。
 今回の経験を通じて、行政が「説明した」ということと、町民の皆さんに「伝わった」ということは同じではないと、改めて感じています。
 資料を公開したこと、議会で説明したこと、説明会を開いたことだけで、説明責任を果たしたと思ってはいけません。
 町民の皆さんに情報が届き、内容を理解していただき、疑問や不安を言葉にしていただく。そして、その疑問に行政がお答えす ることが大切であると改めて感じています。
 まとめになりますが、アクアスの問題は、長年親しまれてきた施設だからこそ、費用だけで判断することも、思いだけで判断することもできません。
 施設の安全性、改修や維持管理に必要となる費用、町の財政、健康づくりや交流の場としての役割などを、総合的に考えなければなりません。
 これまで具体的な方向性が定められないままになっていた課題を、このまま将来へ先送りすることはできないと考え、取り組んでいます。
 今後は、資料を公開するだけでなく、その内容を分かりやすくお伝えする機会を増やしていきたいと考えています 。
 これからも行政と議会がそれぞれの責任を果たし、町民の皆さんと情報や課題を共有しながら、大変厳しい判断となると思いますが、将来の大木町にとって責任ある決断をしなければならないと考えています。
 今後とも、区長の皆さんのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 ご静聴、ありがとうございました。

関連リンク

全世代型健康増進拠点構築に関する問い合わせ先

健康課 健康づくり係
〒830-0416
福岡県三潴郡大木町大字八町牟田255-1
電話番号:0944‐32‐1280
ファックス:0944-32-1054
メールを送信

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政課 政策調整係
〒830-0416
福岡県三潴郡大木町大字八町牟田255-1
電話番号:0944‐32‐1036
ファックス:0944-32-1054
メールを送信