生活習慣病
生活習慣病ってなに?
以前は成人病と呼ばれていましたが、現在は、がんや糖尿病、高血圧症などの生活習慣が深く関係して発症する病気を総称して生活習慣病と呼んでいます。生活習慣は、小児期にその基本が身に付けられるため、これらの病気を予防するためには小児期から健康的な生活習慣を送ることが重要になります。ただし、生活習慣病の発症は生活習慣だけではなく、遺伝的な要因や社会の生活環境要因も関与するといわれています。生活習慣病の予防には、自分の遺伝的体質を知り、ライフスタイルを見直すことが必要です。
がん
日本人の2人に1人は生涯のうちにがんになるといわれています。その原因の多くは生活習慣や感染症が原因のため、それらを予防するために生活習慣を見直し、定期的にがん検診を受診することが重要です。
胃がん

胃がんの原因の多くはピロリ菌への感染といわれています。ピロリ菌は、胃酸が弱い幼少期(主に5歳以下)に感染し、胃に住み続けることで、胃の粘膜に炎症を起こし、一部の人にがん化が認められます。ピロリ菌への感染を予防するために、親から子どもへの口移しに注意する必要があります。
ピロリ菌に感染しても、早期に発見し除菌を行うことで胃粘膜の健康を保つことができ、胃がんの発症を大幅に抑えることができます。
大木町では20歳から65歳の人を対象にピロリ菌の感染の有無を調べる検査をしています。案内が来たらぜひ受診してください。
肺がん

肺がんは最も死亡数の多いがんで、その多くは喫煙や受動喫煙が原因で発症するといわれています。
たばこを吸わない男性の場合、イソフラボンを多く含む食品(大豆製品など)を摂る量が多いほど肺がんの発症率は低いとされています。
無症状のまま進行することもあり、咳や痰、血痰、息苦しさなど他の肺疾患でも見られる症状が出現することもあります。複数の症状が見られたり、長引いたりするようなら早めに病院に受診しましょう。
肺がん検診は40歳以上が対象となっているため、年に1度は受診しましょう。
大腸がん

大腸がんは無症状で進行することが多く、血便や残便感、体重減少などの症状が現れたときにはすでに進行している場合があります。
大腸がんの発症は生活習慣に大きく関係していて、赤肉(牛、豚など)や加工肉(ベーコン、ソーセージなど)の摂取や飲酒、喫煙により危険性が高まります。その他にも体脂肪の過多や内臓脂肪の貯蓄など肥満を予防することも重要です。
目には見えない便の中にある出血をみつけるために、40歳以上の人には便潜血の検査を実施しています。
乳がん

女性の11人に1人が罹患し、日本人女性のなるがんとしては最も多いのが乳がんといわれています。
乳がんの主なリスク要因は
- 初経年齢が早い
- 閉経年齢が遅い
- 出産歴がない
- 初産年齢が遅い
- 授乳歴がない
- 閉経後の肥満
- 一親等の乳がんの家族歴
2年に1度の乳がん検診とあわせて月に1度はセルフチェックを行いましょう。
子宮がん

子宮がんのうち、7割が子宮頸がんを占めています。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因であることがわかっています。HPVは性交渉によって感染し、女性の多くは一生に一度は感染機会があるといわれています。
90%の人は免疫力で自然にHPVを排除しますが、一部の人は異型性と呼ばれるがんの前段階の状態を経てがん化していきます。子宮頸がんは20~30歳代の女性で徐々に増えはじめ、発症のピークは40~50歳代となっています。
子宮頸がんの発症を予防するには、HPVワクチンでHPVへの感染を予防すること、子宮頸がん検診を受診して前がん病変を早期発見することが重要となります。
20歳以上女性は2年に1度は子宮頸がん検診を受診して、異常を早期発見しましょう。
高血圧症
ここでは、本態性高血圧症のことをお話しします。
高血圧症は遺伝的な要因や生活習慣などの環境要因が関与しています。塩分のとり過ぎ、野菜・果物の不足、肥満、運動不足、多量飲酒などの生活習慣は血圧を上昇させ、動脈硬化のリスクが高まります。これらに当てはまるものがあればぜひ改善に取り組みましょう。
減塩する
まずは血圧を上げる要因のナトリウム=食塩量を見直しましょう。
目安として一日の食塩摂取量を6g未満にします。
薄味でも香辛料などで風味付けしたものは、自然と食塩量を減らせます。

バランスのとれた食事を摂る
食事の栄養バランスを整え、野菜と果物を積極的に食べると良いでしょう。
青魚は動脈硬化を予防する成分が含まれています。動脈硬化が進行することで、血圧を上げる原因となります。
その他にも、食物繊維やカリウムを含む食品を積極的に摂ることで血圧を下げる効果が期待できます。カリウムは、野菜、果物、海藻類などに多く、水に溶けやすい性質を持ちます。そのため、生で食べられるものは生で、調理する場合は煮汁ごと食べられるメニューがおすすめです。

糖尿病
糖尿病は血液中のブドウ糖が多くなりすぎる病気です。食事によって腸から吸収されたブドウ糖は血液に入ります。血糖値の上昇に反応してすい臓からインスリンが分泌されて、インスリンの働きによってブドウ糖は細胞に取り込まれてエネルギーに変えられます。糖尿病はインスリンが足りなくなるもしくは、うまく働けなくなる病気です。それによって高血糖が続き、余ったブドウ糖が血管を傷つけて動脈硬化を引き起こします。
あなたは大丈夫?
糖尿病はゆっくり進行するため、気付かないうちに初期症状が現れていて、自分でも症状に気付かない場合もあります。
糖尿病の初期症状は
- 起床から就寝まで8回以上トイレに行く
- 1日3リットル以上尿が出る
- 口が渇く
- 疲れやすい
糖尿病には1型と2型があり、9割が2型糖尿病といわれています。糖尿病になる原因は、生活習慣や遺伝的体質などがあり、糖尿病を改善するためには食生活や運動とあわせて、適切な薬物治療を行う必要があります。
糖尿病の診断基準は空腹時血糖126mg/dl以上またはHbA1c6.5%以上です。定期健診を受診することで自分の身体の状況を確認し、生活習慣を見直しましょう。
糖尿病を改善するためのポイント
私たちが生きていくためには、エネルギー源としてブドウ糖が不可欠です。しかし、糖尿病が進行するといくら食べてもエネルギーに換えることができなくなってしまいます。肥満や運動不足の場合には、インスリンの働きが悪くなり、加齢や体質によりすい臓からのインスリンの分泌力が弱くなります。インスリンは人によって分泌できる量はことなるため、若いころからの暴飲暴食は、のちのインスリンの枯渇につながる可能性があります。自覚症状がないからといって安心していてはいけません。糖尿病を予防するために、以下のことを心がけましょう。
糖尿病を予防するためのポイント
- 食べすぎない。腹8分目に。
- 間食は控えましょう。食べるときは砂糖を多く含むものは避け、高血糖の人は砂糖の摂取量を1日10g未満にしましょう。
- 糖質の多い食品の摂り過ぎには注意しましょう。
- 食物繊維を積極的に摂りましょう。
- 野菜をはじめに食べて、血糖値の上昇をゆるやかに。
- ダイエットといって欠食をしない。基本は3食バランスよく。
- 運動習慣を持ちましょう。

脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂質が異常値を示している状況です。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール):正常値 120mg/dl未満
肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割をしています。増えすぎると血管壁に溜まってしまい、血栓になって動脈硬化を引き起こし、進行すると脳梗塞や心筋梗塞の重大な合併症を引き起こします。
HDLコレステロール(善玉コレステロール):正常値 40mg/dl以上
増えすぎたコレステロールを回収し、さらに溜まったコレステロールを肝臓に戻す掃除屋のような役割をしています。LDLコレステロールとは逆に、動脈硬化を抑制する働きがあります。
中性脂肪(TG):正常値 150mg/dl未満
人間の重要なエネルギー源ですが、増えすぎると脂肪として蓄えて肥満につながります。
脂質異常症を改善するためのポイント
食品中の脂肪の大部分を占める中性脂肪には脂肪酸がくっついています。脂肪酸には飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸がありますが、このうち飽和脂肪酸を多く含む脂肪をたくさん食べると肝臓でのコレステロールの合成が促進されるため、脂質異常症を予防するには飽和脂肪酸を控えることが重要です。
一方、多価不飽和脂肪酸はむしろコレステロールの合成を抑える作用があるといわれています。
中性脂肪やLDLコレステロールが高い人は以下のことを心がけましょう
- カロリー(エネルギー)の摂り過ぎに注意しましょう
- 腹八分目までに我慢して、甘いものを控えましょう
- 週の半分は魚を食べる日を作りましょう
- 運動習慣を持ちましょう

この記事に関するお問い合わせ先
健康課 健康づくり係
〒830-0416
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電話番号:0944‐32‐1280
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