安心して働くために(その1)

パートタイマーの基礎知識

パートタイマーとは

  • 1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者に比べて短い労働者のことです。
  • 「アルバイト」、「嘱託職員」、「臨時職員」、「契約職員」などの呼び方に関係なく、通常の労働者より短い労働時間で働く場合は、すべて「パートタイマー」になります。

ここでは、「パートタイム労働法」で「短時間労働者」と定義されている労働者を「パートタイム」と標記しています。

パートタイムの権利保護

パートタイマーも正社員と同様に、労働者を保護するための法令が適用されます。

パートタイマーには、正社員と同様に労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、男女雇用機会均等法など労働者を保護するための法令が適用されます。
育児・介護休業法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法は、パートタイマーが要件を満たしていれば「適用」されます。

労働契約

事業主と労働契約を結ぶときは、労働条件を十分確認しましょう。

  • 事業主は、パートタイマーを雇う場合、労働条件に関する事項を「労働契約」の締結の際に明示し、労働条件を明記した書面(労働条件通知書)をパートタイマーに交付しなければなりません。
  • 労働契約は契約書の交換によるものばかりではなく口頭でも有効ですが、その労働条件を何らかの書面で明示しなければなりません。

事業主が、労働契約の際、明示すべき労働条件

1.労働契約の時間、2.就業の場所、3.従事すべき業務内容、4.始業・終業時刻、5.所定時間外労働の有無・休憩時間、6.休日・休暇、7.就業時転換、8.賃金(12を除く)の決定・計算・支払の方法、賃金の締切、支払の時期、9.退職(解雇を含む)

  • 1.から9.については、事業主は必ず書面(注釈)を交付しなければなりません (労働基準法第15条、同施行規則第5条)

10.昇給、11.退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与、1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当て、1か月を越える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当、1か月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給・能率手当、12.最低賃金額、13.食費、作業用品その他の負担、14.安全・衛生、15.職業訓練、16.災害補償・業務外の傷病扶助、17.表彰・制裁、18.休職
(注釈)10.から18.については、事業主はパートタイマーを雇い入れたときは文書の交付に努めるよう求められています。
(「パートタイマー労働法」第6条、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理 の改善等のための措置に関する指針(以下「パートタイム労働指針」と標記しま す。)第3の1(1))。

労働契約には「期間の定めのない契約」と「期間の定めのある契約」があります。

「期間の定めのある契約」の契約期間の上限は原則3年です。(労働基準法第14条)

就業規則

「就業規則」とは、事業所において労働者全員が守るべき職場の規律や適用される労働条件について、文書で定めたものです。
就業規則は、パートタイマーを含めて常時10人以上の労働者を雇う事業所では、必ず作成しなければなりません。

就業規則は、パートタイマーを含めて常時10人以上の労働者を雇う事業所では、必ず作成して、職場の見やすい場所に掲示したり、備え付ける等の方法によって労働者に周知させることが義務付けられています。(労働基準法第89条第106号)

就業規則に記載する主な事項

1.始業・終業時刻、2.休憩時間、3.休日・休暇、4.就業時転換、5.賃金(9.を除く)の決定・計算・支払の方法、賃金の締切、支払の時期 、6.退職(解雇を含む)、7.昇給、8.退職手当の適用労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法、支払の時期、9.臨時の賃金等(退職手当を除く)、10.最低賃金額、11.食費、作業用品その他の負担、12.安全・衛生、13.職業訓練、14.災害補償・業務外の傷病扶助、15.表彰・制裁の種類、程度

労働時間、休憩時間

1日の法定労働時間は、8時間以内と定められています。また、一週間の法定労働時間は原則40時間以内です。

  • 「小規模事業所」の労働時間については特例がありますので注意してください。

事業主は、パートタイマーにできるだけ所定労働時間(事業所の就業規則などで定めた労働時間)を超えて、労働をさせないよう求められています(「指針」第3の1の(3))。

事業主は、労働時間が6時間を越えるときには45分以上、8時間を越えるときには1時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません。

「休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間を含まず労働者の権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこと」という労働省(現在は厚生労働省)の通達(昭和22年9月13日発基第17号)があります。
休憩時間は労働者の自由に利用できます。

休日

事業主は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日(4週間を通じて4日以上の休日でも可)を与えなければなりません。(労働基準法第35条)

年次有給休暇

パートタイマーも次の要件を満たせば、年次有給休暇が与えられます。

  1. 6か月間以上継続勤務すること。
  2. 全労働日の8割以上出勤すること。

「有給休暇」とは、休日以外に、賃金をもらいながら自分の希望する日に休みを取ることができる制度です。
事業主は、要件を全て満たした場合は、労働者に対して年次有給休暇を与えなければなりません(労働基準法第39条第1項)。「短期契約者の契約を更新して、事実上6か月間以上使用している場合は継続勤務に該当する」という通達(昭和63年3月14日基発第150号・婦発第47号)がでています。

(福岡県発刊のパートタイマーの基礎知識より抜粋)

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